日本非核宣言自治体協議会 National Council of Japan Nuclear Free Local Authorities

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第36回(令和元年度)

日本非核宣言自治体協議会 第36回総会決議

 日本非核宣言自治体協議会は、設立35周年を迎えた。協議会設立時、国内自治体の2割にも満たなかった非核宣言自治体は、今や9割を超え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現は市民社会の確固たる願いとなった。
 2017年には国連で「核兵器禁止条約」が122か国の賛成多数で採択された。これは、長年にわたる被爆者の核兵器廃絶の訴えを源流として、NGOなど市民社会が地道な活動を続けてきたことによる成果である。同条約に参加する国の輪は広がりつつあるが、いまだ核保有国は、核兵器の有用性を主張し、核兵器禁止条約に参加しておらず、核保有国と非核保有国の対立が浮き彫りになっている。さらに、核兵器を保有する大国同士も対立を深め、世界は再び冷戦時代のような核の危機に覆われはじめている。
核保有国には核抑止力による安全保障から脱却し、誠実に核軍縮に取り組むことを強く求める。
我が国の脅威である北朝鮮の核開発については、米朝首脳会談の実現により非核化に向けた希望が見えたかに思えたが、見通しは不透明である。本協議会が一丸となって完全な非核化を求めるとともに、日本政府には核抑止力に依存しない安全保障体制の実現のため、我が国と朝鮮半島を非核化する「北東アジア非核兵器地帯」の実現を粘り強く要請する。
さらに、唯一の戦争被爆国である日本政府には、核兵器禁止条約に積極的に参加することにより、政府自ら自負する「橋渡し役」としてのリーダーシップを発揮していただきたい。日本非核宣言自治体協議会は核兵器禁止条約の早期発効を目指し、市民社会が創り出した核兵器廃絶を求める流れを全力で支援する。
2020年には、ニューヨークの国連本部で核不拡散条約(NPT)再検討会議が開催される。この会議は、核兵器のない世界の実現を大きく左右する重要な会議になることから、協議会からも代表団を派遣し、核兵器のない平和な世界を求める自治体住民の切なる願いを届けたい。
被爆から74年を迎え、戦争体験者・被爆者の高齢化が進むなか、その体験の次世代への継承はすべての自治体に共通する喫緊の課題である。本協議会は引き続き、会員自治体が連携し、戦争や被爆体験の継承に取組み、住民が安心して暮らしていける地域社会の実現に向け活動するとともに、国連や赤十字国際委員会、NGOなど、志を同じくする人々と「核兵器のない世界」の実現に尽力することをここに決議する。

2019(令和元)年5月30日
日本非核宣言自治体協議会