日本非核宣言自治体協議会 National Council of Japan Nuclear Free Local Authorities

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第9回(平成6年度)

非核宣言自治体全国大会決議

冷戦体制が終焉し、全面核戦争の恐怖は遠のいたとされる現在も、大量の核兵器を保有して核抑止政策にこだわり続ける核大国が存在し、新しい核保有国の出現の可能性や世界各地で多発する地域紛争で核兵器が限定使用される危険性など、核廃絶をめざす私たちの運動には、なお高い壁が立ちふさがっている。こうした状況のもとで、私たちは一年後に広島・長崎の被爆50年を迎えようとしている。
1970年に締結された核不拡散条約(NPT)もまた、来年、その有効期限を迎えるが、私たちは、この条約が核兵器の拡散防止に果たしてきた一定の役割を評価しつつも、この条約の無条件・無期限延長は、米国・ロシア・英国・フランス・中国の核保有を正当化し、核廃絶への道をとざすものであり、同意できない。私たちは、同条約の期限切れの機会に、これら核兵器を保有する五カ国に対して、期限付きで核兵器の全廃を義務付けるための条約改正を行い今世紀中に核廃絶を実現すべきだと考える。
私たちは、日本政府に対し、NPTの無条件・無期限延長について「支持」の態度をやめること、核兵器を持たず・作らず・持ち込ませないことをあらためて世界に広く明らかにすること、非核三原則の法制化に早急に取り組むこと、被爆者援護法の制定等援護施策の拡充をはかることなど、非核政策の新たな構築を強く要請する。また日本政府が核兵器の使用は国際法違反にあたらないとする見解をあらためることを強く求める。
来年の被爆50周年を前に、私たちが望む核軍縮への道筋は未だ明らかにされていないが、その中で、非核平和を願う世界の人々とともに、相互信頼、人権尊重、環境保護、経済協力などの面にも考慮しながら、核軍縮・核廃絶へ向けての自治体運動の輪をこれまでにもまして広げ深めていかなければならない。
今、住民のいのちとくらしを守る立場から非核宣言を行った自治体は、1900を数え、わが国自治体数の過半数に達している。世界中の国が戦争をしないで共存していくための道筋は、私たちの日本国憲法を通してこそ見えてくることを、私たちは今こそ心にとめ、世界の人々に伝えていかなければならない。その一つの証として、広島原爆ドームが世界遺産として保存されることを強く望む。
本日、非核宣言自治体全国大会に集う私たちは、被爆50年目の1995年には、非核平和の輪を全国に広げるために、全国各地で平和についてのキャンペーンを繰り広げて核の恐怖を若い世代に伝え、さらに、今世紀中に核兵器を廃絶し、核のない平和な21世紀を私たちの手で実現するために、不断の努力を続けていくことを決議する。

1994年(平成6年)8月5日
非核宣言自治体全国大会