第42回(令和7年度)
日本非核宣言自治体協議会 第42回総会決議
広島、長崎への原子爆弾の投下、そして第二次世界大戦の終結から80年目の夏をまもなく迎えようとしている。
このような中、昨年末に、日本被団協がノーベル平和賞を受賞した。このことは、自らの壮絶な体験を語り核兵器廃絶を訴え続けた被爆者の功績が世界に認められた証である一方で、混迷を深める現下の国際情勢への危機感の表れでもある。また、今月9日に閉幕した核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議第3回準備委員会において、来年の再検討会議に向けた議論のたたき台となる勧告案の採択が見送られたことも、危機的な現下の情勢を如実に示している。
私たちは、依然として、「核兵器のある世界」の住人であり、「核兵器は、存在する限り使われ得る」ということを肝に銘じなければならない。核保有国とその同盟国は、人類への脅威が一層高まっている現実に向き合い、「核兵器のない世界」の実現のため、真摯に取り組んでいくことを強く求める。
とりわけ、唯一の戦争被爆国である日本政府には、核兵器廃絶への決意を明確に示すためにも、核兵器禁止条約に一日も早く署名・批准することを目指し、行動していくことを引き続き要請する。
また、本協議会では「北東アジア非核兵器地帯」の創設を提案してきたが、今後も私たちが住む、この地域の非核化と核抑止力に依存しない安全保障体制の確立に向け取り組むよう求めていく。
さらには、現在、戦争を知らない世代が大多数を占める中、戦争・被爆体験を継承することの重要性がますます高まっている現状に鑑み、時代に合った戦争・被爆体験の継承を踏まえた各種事業を推進し、戦争・被爆体験を「人類の教訓」として伝え続けていく所存である。
本協議会は、住民の生命と暮らしを守るという自治体としての原点に立ちながら、同じ願いを共有する加盟都市の拡大、連帯強化に努め、「核兵器のない世界」の実現に貢献していくことを決議する。
2025(令和7)年5月29日
日本非核宣言自治体協議会